額の注入治療で失敗しない!骨老化に対応したヒアルロン酸の選び方と注入層

額の注入治療で失敗しない!骨老化に対応したヒアルロン酸の選び方と注入層

額のしわやくぼみを改善したいと考えたとき、ヒアルロン酸注入は有力な選択肢のひとつです。

しかし「なんとなく注入すればいい」という認識のまま施術を受けると、不自然な膨らみや左右差など、思わぬ仕上がりになるケースが少なくありません。

とくに見落とされがちなのが、年齢とともに進む額の骨の変化です。骨が痩せた土台に対して製剤の硬さや注入する深さを誤ると、たるみの根本原因にアプローチできず、結果として失敗につながりやすくなります。

この記事では、骨老化という視点からヒアルロン酸製剤の選び方と注入層の考え方をわかりやすく整理しました。額の注入治療を検討中の方が後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください。

額の骨は年齢とともに痩せていく|注入治療で見落とされがちな骨老化の正体

額の見た目が変わる原因は、皮膚のたるみや筋肉の衰えだけではありません。額を形づくる前頭骨そのものが、加齢にともなって薄くなり形状が変化することで、くぼみや平坦化が目立つようになります。

額の骨はどう変わるのか|前頭骨の加齢変化を知ろう

顔の骨格は20代をピークに少しずつ変化し、とくに前頭骨(おでこの骨)は年齢とともにカーブが緩やかになり、厚みも減っていきます。CT画像を使った研究では、男性の前頭骨厚が平均で約18%減少したという報告もあります。

女性の場合、骨の厚み変化は男性ほど顕著ではないものの、前頭骨のカーブ角度は確実に変化しています。その結果、額の丸みが失われて平坦に見えたり、こめかみとの境界がくぼんで影が出やすくなるでしょう。

骨が痩せると皮膚や脂肪にも連鎖的に影響が出る

骨老化は額の表面だけの問題ではありません。骨のボリュームが減ると、その上にある脂肪層や皮膚を支える土台が弱くなり、全体的に下垂が進みます。額が平坦化すると眉毛の位置も下がって見え、目元が重たい印象になりがちです。

つまり、額の老化は「骨→脂肪→皮膚」という内側から外側へ連鎖する変化だといえます。表面のしわだけを埋めても根本的な改善にはつながりにくい理由がここにあります。

額の骨老化が引き起こす見た目の変化

変化の部位具体的な変化見た目への影響
前頭骨骨の厚みが減少しカーブが平坦化額の丸みが消え老けた印象に
眉上の骨縁眉弓部の突出が相対的に目立つ眉が重く見え目元に影ができる
こめかみ付近側頭部の骨量減少と脂肪萎縮くぼみが生じ輪郭が角張る
眼窩上縁眼窩の開口部が拡大するまぶたがくぼみ疲れた顔に

骨の変化を無視した注入が「失敗」につながる理由

額の注入治療で満足度が低い結果になるケースの多くは、骨老化による土台の変化を考慮せずに、表層だけを埋めようとすることから生じます。土台が痩せた状態で皮膚の浅い層にだけヒアルロン酸を入れると、凹凸やぼこつきの原因になりかねません。

逆に、骨の上(骨膜直上)にしっかりボリュームを補い土台を再建する意識があれば、少ない注入量でも自然な丸みを取り戻せる可能性が高まります。

骨老化を理解したうえで施術に臨むかどうかが、仕上がりに大きな差をもたらすのです。

額のヒアルロン酸注入で起きやすい失敗とは|仕上がりに差がつく原因を徹底解説

額のヒアルロン酸注入は比較的手軽な施術ですが、手軽であるがゆえに「思った仕上がりと違う」というトラブルも報告されています。失敗を避けるためには、どのような問題が起きやすいのかを事前に知っておくことが大切です。

額が不自然に膨らむ「オーバーフィル」はなぜ起きるのか

もっとも多い失敗例のひとつが、額が風船のように膨らんでしまうオーバーフィルです。額は他の部位に比べて皮下組織が薄いため、注入量が多すぎるとダイレクトに形が出やすい部位といえます。

加えて、患者さん自身が「もう少し入れてほしい」と追加を希望することで結果的に過剰注入になるパターンも珍しくありません。

経験豊富な医師であれば、ヒアルロン酸が水分を吸って膨らむ性質を見越したうえで注入量をコントロールしています。

左右差や凹凸が出てしまう原因は注入層のばらつき

額の左右差や表面のでこぼこは、注入する深さが一定でなかった場合に起こりやすいトラブルです。額には前頭筋という薄い筋肉がありますが、この筋肉の上に入れるか下に入れるかで仕上がりの質感がまったく異なります。

とくに骨膜上への注入は均一に製剤を展開しやすいメリットがある一方、皮下の浅い層に不用意に入れると「ぼこっ」とした塊が透けて見えるときがあるでしょう。注入層の選択は医師の技術力が問われるポイントです。

横じわだけを埋めても額全体の印象は変わりにくい

額の横じわが気になって注入治療を希望される方は多いのですが、しわの溝だけを浅い層で埋めるアプローチには限界があります。

骨の土台が痩せている場合、しわの下にある凹みそのものを補わないと、表面をいくら整えても効果は長続きしにくいからです。

額全体の丸みやカーブを取り戻す「面」の改善と、個々のしわを目立たなくする「線」の改善を組み合わせることが、満足度の高い仕上がりにつながります。

ボトックスとの併用で筋肉の動きを抑えながらヒアルロン酸で土台を整えるという戦略も、現在では広く取り入れられています。

額の注入治療で起こりやすいトラブル比較

トラブルの種類主な原因対策のポイント
不自然な膨らみ過剰な注入量膨潤を見越した少量ずつの注入
左右差・凹凸注入層の不均一骨膜上への均一な展開
青白い透け感浅すぎる注入皮膚の薄い部位は深層を選択
効果の早期消失製剤硬度の不一致G’値を考慮した製剤選び

骨老化を踏まえたヒアルロン酸製剤の選び方|硬さと弾力と粘度で比較する

ヒアルロン酸製剤には多くの種類があり、それぞれ硬さ・弾力・粘度が異なります。額の骨老化に対応するためには、骨の上に安定して留まり、かつ自然な見た目を実現できる物性の製剤を選ぶことが成功への鍵となります。

G’値(弾性率)とは何か|製剤の硬さを示す指標を覚えよう

ヒアルロン酸製剤の性質を語るうえで欠かせないのが「G’値」(ジープライム値)です。G’値とは弾性率のことで、簡単に言えば「押されたときにどれだけ形を保てるか」を数値化したものです。

G’値が高い製剤は形を維持する力が強く、骨の土台を補うボリューム補填に向いています。一方、G’値が低い製剤は柔らかく広がりやすいため、額のように薄い組織の中でなじませたい場合に適している場合もあります。

額には高G’と低G’のどちらが向いているのか

額の注入では、骨老化の程度と注入する層によって適切な製剤が変わります。骨膜直上に注入して土台を再建する場合は、形を維持しやすい中~高G’値の製剤が候補になります。

一方で、額の皮膚は薄いため、あまりに硬い製剤を浅い層に使うと不自然な質感になるリスクが高まります。

最近では低G’値のモノフェーズ(単相性)ヒアルロン酸を骨膜上に注入し、36か月にわたって安定した結果が得られたという報告もあり、注目されています。

額のヒアルロン酸注入で考慮したい製剤特性

製剤の特性高G’値タイプ低G’値タイプ
硬さ・形状維持力高い(ボリューム補填向き)低い(なじみやすい)
組織への広がり限定的で留まりやすい薄く広がりやすい
適した注入層骨膜直上・深層骨膜上~浅層まで柔軟
額への適性深い凹みの補正に有用薄い皮膚でも自然に仕上がる

粘度と凝集性もチェックポイントになる

製剤選びはG’値だけで決まるわけではありません。粘度(流れやすさ)と凝集性(まとまりやすさ)も仕上がりを左右する大切な要素です。

粘度が高すぎると注入時に均一に広げるのが難しくなり、低すぎると時間の経過で製剤が移動してしまうリスクが生じます。

凝集性が高い製剤は組織の中で一体感を保ちやすく、額のような平面的な部位でも塊にならずなじみやすい傾向があります。医師が複数の指標を総合的に判断して製剤を選定できるかどうかが、仕上がりの質を大きく左右します。

額への注入層はどこが正解か|骨膜上と皮下で変わる仕上がりの違い

同じヒアルロン酸製剤を使っても、どの深さに注入するかで仕上がりはまったく異なります。額の注入治療では、骨膜直上(骨のすぐ上)を狙う方法と、皮下の浅い層に注入する方法を使い分けることが、自然で長持ちする結果を得るための基本です。

骨膜直上への注入|額の土台を再建する「深い層」のアプローチ

骨膜直上への注入は、加齢で痩せた額の骨のボリュームを補い、土台そのものを再建するイメージの施術です。骨の表面にヒアルロン酸を置くと、額全体のカーブを取り戻す効果が期待できます。

この層に注入すると製剤が骨に沿って安定しやすく、表面に凹凸が出にくいメリットがあります。額の丸み全体を改善したい場合や、骨老化が顕著な方に向いた方法です。

前頭骨に対して垂直に針を刺入し、骨膜のすぐ上のスペースにボーラス(塊)で注入する手技が報告されています。

皮下浅層への注入|細かいしわや浅い凹みを整える「浅い層」のアプローチ

皮膚と前頭筋の間、あるいは前頭筋の浅い層に注入する方法は、額の表面のしわや浅い凹みをピンポイントで改善するのに向いています。

ただし額の皮膚は非常に薄い部位なので、浅い層に入れる場合は製剤の選択に注意が必要です。

硬い製剤を浅い層に入れると「ぼこっ」とした感触が出やすく、皮膚を通して青白く透けて見える「チンダル現象」が起きるときもあります。浅い層へは柔らかい製剤を少量ずつ使うのが基本的な考え方です。

深い層と浅い層を組み合わせる「デュアルプレーン」という発想

経験豊富な医師は、骨膜直上と皮下浅層の両方を使い分ける「デュアルプレーン(二層注入)」のアプローチを取ることがあります。まず深い層で土台のカーブを整え、その上から浅い層で微調整を行うという順序です。

二層に分けると、一度に大量の製剤を入れる必要がなくなり、オーバーフィルのリスクを減らせます。注入層ごとに製剤の硬さを変える工夫も可能になるため、より自然で繊細な仕上がりが実現しやすくなるでしょう。

  • 骨膜直上:額の丸み全体を回復する土台再建に適している
  • 皮下浅層:表面のしわや浅い凹みのピンポイント補正に有効
  • デュアルプレーン:深層と浅層を組み合わせて自然な仕上がりを追求できる
  • 製剤の使い分け:深い層には中~高G’値、浅い層には低G’値が基本

額の注入治療で自然な仕上がりを叶えるために押さえたいテクニック

適切な製剤と注入層を選んだとしても、注入のテクニック次第で結果は大きく変わります。額は顔の中でもっとも面積が広く、かつ皮膚が薄いため、わずかなテクニックの差が見た目に直結する部位です。

少量ずつ複数回に分けて注入する「段階的アプローチ」が安心

額の注入で安全に理想の形を目指すためには、一度にまとまった量を入れるのではなく、少量ずつ複数回に分けるのが賢明です。

ヒアルロン酸は注入後に周囲の水分を吸収して膨らむ性質があるため、1回目の仕上がりを確認してから2回目の追加量を調整するほうが過剰注入を防げます。

初回の施術から2~4週間後に経過を見て、足りない部分だけを補うという流れが、失敗しにくいスケジュールといえるでしょう。

注入方向と針の角度が仕上がりの均一さを左右する

骨膜直上への注入では、前頭骨に対してほぼ垂直に針を刺入し、骨の表面に沿ってヒアルロン酸を展開する方法が報告されています。

垂直に入れると骨膜上のスペースに確実にアクセスでき、製剤が均一に広がりやすくなります。

  • 針は前頭骨に対して垂直に近い角度で刺入する
  • 複数のポイントから少量ずつ注入して均一に展開する
  • 注入後すぐに指で軽くモールディング(形を整える操作)を行う
  • 左右のバランスを逐次確認しながら追加するかどうかを判断する

カニューレ(鈍針)とニードル(鋭針)の使い分け

額の注入に使う器具として、先端が丸いカニューレ(鈍針)と通常の注射針であるニードル(鋭針)があります。カニューレは血管を傷つけにくいため安全性が高く、広い範囲に製剤を行き渡らせるのに向いた器具です。

ニードルは狙った場所にピンポイントで注入できるメリットがある一方、血管損傷のリスクにはより注意が必要になります。実際の施術では、まず深い層にカニューレで土台をつくり、浅い層の微調整にニードルを使うという組み合わせも行われています。

ボトックスとの併用で額の仕上がりはさらに安定する

額の横じわが気になる方の場合、ヒアルロン酸単独よりもボトックス(ボツリヌストキシン)との併用を検討する価値があります。

ボトックスで前頭筋の過度な動きを抑えておくと、ヒアルロン酸が安定して留まりやすくなり、持続期間の延長も期待できるからです。

ただし、ボトックスの量が多すぎると眉が下がりすぎて重たい表情になることがあります。額のヒアルロン酸注入とボトックスの量的バランスを丁寧に調整できる医師を選ぶことが重要です。

額のヒアルロン酸注入で起こりうるリスクと合併症への備え

ヒアルロン酸注入は比較的安全性の高い施術とされていますが、まれに合併症が起こる可能性はゼロではありません。事前にどのようなリスクがあるかを理解し、万が一の際の対処法を備えておくことが、安心して施術を受けるための条件です。

血管閉塞は額の注入でもっとも警戒すべき合併症

ヒアルロン酸が誤って血管内に入ったり、血管を圧迫したりすると、血流が遮断される「血管閉塞」が起こる場合があります。

額には滑車上動脈や眼窩上動脈といった重要な血管が走っており、これらが詰まると皮膚の壊死や、まれに視力障害につながるリスクがあります。

そのため、額の注入では血管の走行を熟知した医師が慎重に施術することが前提となります。万が一の血管閉塞に備えて、ヒアルロン酸を溶かすヒアルロニダーゼ製剤を常備しているクリニックを選ぶべきでしょう。

皮膚が青白く見える「チンダル現象」を防ぐには

額の皮膚は薄いため、浅い層にヒアルロン酸を注入すると、皮膚を通して製剤が青白く透けて見える「チンダル現象」が起きる場合があります。光が透明なゲルに反射して青っぽく見えるためです。

チンダル現象を防ぐには、浅い層への注入は必要な場合だけに限定し、使用する製剤も透明度の低いものや柔らかい製剤を選択することが有効です。

万一発生した場合には、ヒアルロニダーゼで溶解して修正が可能な点は、ヒアルロン酸の大きな利点といえるでしょう。

注入後の腫れや内出血はどの程度続くのか

施術直後の腫れや赤み、軽度の内出血は額に限らず注入治療で起こりうる一般的な反応で、額の場合、腫れは2~3日でピークを迎えて1週間ほどで落ち着く方がほとんどです。

内出血が出た場合は1~2週間で吸収されますが、メイクでカバーできる程度のことが多いです。施術前の1週間程度は血液をサラサラにする薬やサプリメント(魚油、ビタミンEなど)の服用を控えるよう指示されるのが一般的です。

額の注入治療における主なリスクと対処法

リスク発生頻度対処法
血管閉塞非常にまれヒアルロニダーゼの即時投与
チンダル現象浅い注入で起きやすいヒアルロニダーゼで溶解修正
腫れ・内出血一般的(軽度)冷却・圧迫で1~2週間で改善
感染まれ抗菌薬の投与
左右非対称時に発生追加注入またはヒアルロニダーゼ

注入治療を受ける前に確認しておきたいクリニック選びと医師の見極め方

額の注入治療は医師の技量によって仕上がりに大きな差が出る施術です。製剤の知識、解剖学への理解、そして丁寧なカウンセリング姿勢の3つを兼ね備えた医師のもとで施術を受けることが、失敗を避けるための一番の近道です。

骨老化やレオロジーを踏まえた説明ができる医師か

カウンセリングの段階で、骨の加齢変化やヒアルロン酸製剤の物性(レオロジー)について具体的に説明できる医師は、額の注入に対する深い知識を持っている可能性が高いといえます。

「とりあえずこの製剤で」という説明しかない場合は注意が必要かもしれません。

額のどの部分にどの製剤をどの深さで注入するかを、理由とともに説明してもらえるかどうかが判断材料のひとつです。

  • 骨老化の影響を踏まえた注入プランを提示してくれるか
  • 使用する製剤の特性(G’値・粘度・凝集性)について説明があるか
  • 注入層の選択理由を明確に伝えてくれるか
  • リスクと合併症への対処方針を事前に共有してくれるか

ヒアルロニダーゼを常備しているかは安全管理の基本

万が一の血管閉塞やチンダル現象に対応するためには、ヒアルロン酸を分解する酵素「ヒアルロニダーゼ」を院内に常備していることが安全管理上の大前提です。このリカバリー体制があるかどうかをカウンセリング時に確認しておきましょう。

ヒアルロニダーゼの準備がないクリニックでヒアルロン酸の注入を行うことは、万一のトラブル発生時に即座の対応が難しくなるため、施術を受ける際には必ず確認してください。

施術回数やアフターフォローの体制を事前に確認する

額の注入は一度で完成させようとするよりも、2~3回に分けて段階的に仕上げるほうが安全で自然な結果が得られやすい施術です。

カウンセリングの段階で「何回くらいの施術が必要か」「追加注入やタッチアップの費用はどうなるか」を明確にしておくと、トータルの費用感を把握しやすくなります。

施術後に気になる点があった場合の再診のしやすさも、クリニック選びの判断基準として見逃せないポイントです。術後1~2週間でのフォローアップ診察を標準で組んでいるクリニックは、仕上がりへのこだわりと責任感がある施設だと考えてよいでしょう。

よくある質問

額のヒアルロン酸注入は何か月くらい効果が持続しますか?

額に注入したヒアルロン酸の持続期間は、使用する製剤の種類や注入量、注入する層によって異なりますが、一般的には12か月から18か月程度とされています。骨膜直上に注入した場合は動きの影響を受けにくいため、比較的長く効果が持続する傾向があります。

ただし、額は表情筋の動きが活発な部位でもあるため、ボトックスを併用して筋肉の動きを穏やかにしておくと、ヒアルロン酸の持続期間がさらに延びやすくなるでしょう。施術を受けた後も定期的なフォローアップで経過を確認することをおすすめします。

額の骨老化が進んでいるかどうかは自分で判断できますか?

ご自身で額の骨老化を正確に判断するのは難しいのが現実です。骨の変化は皮膚の上からは見えないため、外見上の変化だけでは脂肪の減少によるものなのか、骨そのものの萎縮によるものなのか区別がつきにくいでしょう。

ひとつの目安として、額を指で触ったときに以前より骨が浮き出て感じる、こめかみのくぼみが深くなった、眉の位置が下がったという変化がある場合は、骨レベルでの変化が進行している可能性があります。正確な評価には医療機関での画像検査が必要です。

額のヒアルロン酸注入にダウンタイムはどれくらいかかりますか?

額のヒアルロン酸注入のダウンタイムは比較的短く、多くの場合2~3日程度で腫れや赤みが引いていきます。内出血が出た場合でも1~2週間でほぼ目立たなくなり、メイクでカバーできるレベルがほとんどです。

施術当日から洗顔やシャワーは可能なことが多いですが、激しい運動やサウナ、飲酒などは数日間控えるよう指導するクリニックが一般的です。翌日から通常どおりの生活を送れる方がほとんどですので、仕事や予定への影響は比較的少ないといえるでしょう。

額に注入するヒアルロン酸の量は平均でどのくらいですか?

額に注入するヒアルロン酸の量は、額の面積や凹みの深さ、骨老化の進行度合いによって個人差がありますが、一般的には2~4ml(1~2本分)程度が目安です。

骨老化が進んでいる方や額全体の丸みをしっかり回復させたい場合は、それ以上の量が必要になることもあるでしょう。

ただし、一度に大量を注入するとオーバーフィルのリスクが高まるため、初回は控えめに注入して2~4週間後に追加するという段階的なアプローチを推奨する医師が多いです。一回の施術で完成を急がないことが、自然な仕上がりへの近道です。

額のヒアルロン酸注入と脂肪注入ではどちらが骨老化への対応に向いていますか?

ヒアルロン酸注入と脂肪注入にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが優れているかは一概にはいえません。ヒアルロン酸は万が一の不具合時にヒアルロニダーゼで溶解できる「やり直しがきく」点が大きな利点です。

ダウンタイムも短く、はじめて額の注入治療を受ける方には取り組みやすい選択肢でしょう。

一方、脂肪注入は自分自身の組織を使うため異物反応のリスクが低く、定着すれば長期間にわたって効果が持続します。

ただし脂肪の採取が必要でダウンタイムがやや長く、定着率にもばらつきがある点がデメリットです。骨老化の程度や生活スタイルに合わせて医師と相談のうえ選択してください。

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この記事を書いた人 Wrote this article

分山博文

分山博文 トータルスキンクリニック院長

2007年東京医科大学卒業。「美容医療はビジネス色が強すぎる」という業界の現状に疑問を抱き、「利益よりも倫理」「不要な施術は勧めない」という信念のもと、大手美容クリニック勤務を経て2021年に福岡市中央区(天神・大名地区)にてトータルスキンクリニックを開院。「誠実な対応・高度な技術・継続しやすい価格」を理念に掲げ、アップセル(高額な施術への誘導)を行わない、患者様本位の美容医療を提供している。