どっちが効果的?額(おでこ)のシワ解消にボトックスとヒアルロン酸を使い分ける基準

どっちが効果的?額(おでこ)のシワ解消にボトックスとヒアルロン酸を使い分ける基準

鏡を見るたびに気になってしまう額のシワ。「老けて見える原因をなんとかしたい」と願うものの、ボトックスとヒアルロン酸、自分のシワにはどちらが合うのか迷っていませんか?

実は、表情を動かした時にできる「表情ジワ」にはボトックス、無表情でも刻まれている「固定ジワ」にはヒアルロン酸という明確な使い分けの基準があります。

この記事では、それぞれの特徴や持続期間、リスクを比較しながら、あなたの額の状態に合わせた選び方を詳しく解説します。正しい知識を持って、理想のつるんとした額を取り戻しましょう。

あなたの額のシワは動く?動かない?鏡でわかる簡単な見分け方と基本の選び方

額のシワ治療を成功させるための最初のステップは、自分のシワの「種類」を正しく見極めることです。

多くの人が「シワ=ヒアルロン酸で埋める」と考えがちですが、実はシワができる原因によって選ぶべき治療法は180度異なります。

原因に合わない治療を選んでしまうと、効果を感じられないばかりか、逆に不自然な表情になってしまうリスクさえあります。

まずは鏡を持って、あなたの額のシワが「動くタイプ」なのか「動かないタイプ」なのかを一緒にチェックしていきましょう。

眉毛をぐっと上げた時にできる「表情ジワ」ならボトックスが第一選択

鏡の前で、驚いた顔をするように眉毛をぐっと上に持ち上げてみてください。この瞬間に額に横線が入り、真顔に戻すとスッと消えるようなら、それは「表情ジワ」です。

表情ジワは、皮膚そのものの老化というよりは、おでこの前頭筋という筋肉が過剰に収縮することで、皮膚がアコーディオンのように折り畳まれて発生します。

このタイプには、筋肉の動きを一時的にリラックスさせる「ボトックス注射」が適しています。ボトックスが筋肉の過度な動きを抑えて、皮膚が折り畳まれるのを防ぎ、将来的に深い溝になるのを予防する効果も期待できます。

真顔でもくっきりと残っている「固定ジワ」にはヒアルロン酸

一方で、表情を全く動かしていないリラックスした状態でも、額に横線の溝がくっきりと残っている場合、それは「固定ジワ(静的シワ)」と呼ばれます。

これは長年の表情のクセが積み重なり、皮膚の深い部分(真皮層)が断裂して溝として定着してしまった状態です。すでに刻まれた溝に対しては、ボトックスで動きを止めるだけでは不十分です。

ここで必要になるのが「ヒアルロン酸注入」です。物理的に内側からボリュームを補い、凹んだ溝を持ち上げて肌を平らに整えます。加齢で額が痩せてきた方にも、若々しい丸みを取り戻す効果があります。

自分で判断するための「上目遣いチェック」

どちらのタイプか迷ったときは、シンプルなセルフチェックを行ってみましょう。手鏡を顔の正面に持ち、顔を動かさずに目線だけを天井に向けてください。

この時、額の筋肉を使わずに目を開けられるでしょうか。もし、無意識に眉毛が上がって額にシワが寄ってしまうなら、あなたのシワは「表情のクセ」による影響を強く受けています。

シワのタイプ別・推奨治療の比較

シワの状態主な原因推奨される治療法
表情を作ると現れ、真顔で消える前頭筋の過剰な収縮(筋肉の動き)ボトックス注射(筋肉をリラックスさせ、折り目をつけさせない)
無表情でも溝が残っている真皮層のダメージ、ボリュームロスヒアルロン酸注入(溝を物理的に埋めて持ち上げる)
表情で深くなり、真顔でも薄く残る筋肉の動き+皮膚の定着併用治療(ボトックスで動きを止め、ヒアルロン酸で溝を埋める)

このチェックで深くシワが寄る場合はボトックスの良い適応です。逆に、指で額の皮膚をピンと張っても薄い線が消えない場合は皮膚構造の変化が起きているため、ヒアルロン酸を検討するサインと言えます。

即効性が欲しい?それとも長く持たせたい?効果が現れる時期と持続期間の違い

治療プランを立てる上で、「いつ綺麗になりたいか」というゴール設定は非常に重要です。来週のデートに間に合わせたいのか、半年後の結婚式に向けてじっくり準備したいのかで、選ぶべき戦略は変わってきます。

ボトックスとヒアルロン酸は、効果が現れるまでのスピード感と、その後の持続期間に明確な違いがあります。それぞれのタイムラインを把握して、あなたのライフイベントに合わせた計画を立てましょう。

ボトックスは注射後数日から2週間でピークを迎える

ボトックスの効果は、注射した瞬間に現れるわけではありません。ここが初めての方がよく勘違いされるポイントで、直後に変化がないからといって焦る必要はありません。

通常、注射をしてから2〜3日後あたりから徐々に額が動かしにくくなり始めます。そして、筋肉の動きがピタリと止まってシワが寄らなくなる「効果のピーク」は約2週間後と言われています。

そのため、もし「同窓会があるから完璧にしたい」という目標があるなら、その日の直前では間に合いません。少なくとも2週間から1ヶ月前には施術を済ませておくのが、一番美しい状態で当日を迎えるコツです。

ヒアルロン酸は直後から変化を実感できるが馴染むまで時間が必要

ヒアルロン酸の最大の強みは、その圧倒的な「即効性」にあります。注入した直後から物理的に溝が埋まり、額の丸みが出るため、鏡を見た瞬間に「変わった!」と実感できるでしょう。

施術室を出る時にはすでにシワが目立たなくなっているのが一般的ですが、注入直後は多少のむくみや針穴の赤みが出る場合があります。

製剤がご自身の組織と完全に馴染んで、触り心地まで自然になるには1〜2週間程度かかります。即効性はありますが、大事な予定の「前日」などは避け、ダウンタイムを考慮した余裕を持つことが大切です。

どちらも永久ではないため定期的なメンテナンスが必要

残念ながら、どちらの治療も一度行えば一生続くものではありません。時間の経過とともに体内で分解・吸収されたり、効果が薄れたりしていきます。

しかし、これを「元に戻ってしまう」とネガティブに捉える必要はありません。「加齢による顔の変化に合わせて、その都度ベストなデザインに修正できる」というメリットでもあるからです。

効果の持続と再治療のタイミングに影響する要因

  • ボトックス(3〜4ヶ月):筋肉が再び動き出す少し前に再注入すると、シワのない状態をキープしやすくなります。
  • ヒアルロン酸(半年〜1年以上):製剤の種類によりますが、徐々に吸収されるため、減ってきたと感じたタイミングで追加します。
  • 代謝による個人差:基礎代謝が高い方やよく運動する方は、製剤の吸収が早まる傾向があります。
  • 繰り返しの効果:ボトックスは定期的に続けることで筋肉が萎縮し、効果が長持ちしやすくなる傾向があります。

まぶたが重くなる?凸凹になる?知っておくべきリスクとダウンタイム

メリットばかりに目を向けるのではなく、起こりうるリスクやダウンタイム(回復期間)についても正しく理解しておくことが、後悔しない治療への近道です。

特に額は、目の開きや顔全体の印象に直結するデリケートなエリアです。「こんなはずじゃなかった」とならないために、それぞれの治療に特有の注意点を確認しておきましょう。

ボトックスで起こりうる「スポック・ブロー」や「眼瞼下垂」とは

額へのボトックス注射で最も注意が必要なのが、効きすぎて目が開きにくくなる「眼瞼下垂」のような症状です。まるで厚手の帽子を目深にかぶったような重さを感じる場合があります。

これは、普段無意識に額の筋肉を使って目を開けている人が、ボトックスでその動きを止められることで起こります。まぶたのたるみが強い方は特に注意が必要です。

また、注入バランスが悪いと、眉毛の外側だけが吊り上がって怒ったような顔になる「スポック・ブロー(怪鳥現象)」が起こるケースもあります。初回は少なめの量から慎重に始めることが、トラブル回避の鉄則です。

ヒアルロン酸注入における血管リスクと表面の凸凹について

ヒアルロン酸はお手軽なイメージがありますが、実は額には重要な血管が走っており、解剖学的な知識が非常に重要になる部位です。

稀なケースですが、血管内に製剤が入ってしまうと血流障害を引き起こすリスクがあります。これを防ぐために、先端が丸い「カニューレ」という特殊な針を使用するクリニックを選ぶことが大切です。

施術後のリスクとダウンタイムの比較まとめ

項目ボトックスのリスク・注意点ヒアルロン酸のリスク・注意点
主な副作用まぶたが重くなる、眉毛の形が変わる、表情が硬くなる内出血、腫れ、むくみ、しこり、凸凹
ダウンタイムほとんどなし(直後からメイク可能な場合が多い)数日〜1週間程度の腫れや内出血の可能性あり
重篤なリスクアレルギー反応(稀)、長期的な筋力低下血管閉塞による皮膚障害(非常に稀だが緊急対応が必要)
修正の可否効果を消す薬剤はない(時間が解決するのを待つ)ヒアルロン酸溶解注射で溶かして元に戻せる

また、皮膚の浅い層に注入しすぎたり、柔らかすぎる製剤を使ったりすると、表面が波打って凸凹に見えてしまうときがあります。額は骨の形が出やすい場所なので、医師の繊細な技術が求められます。

施術後の過ごし方と気をつけるべき生活制限

施術を受けた当日から数日間は、効果を安定させ、トラブルを防ぐためにいくつかの制限があります。どちらの治療も「熱」と「圧力」には弱いと考えてください。

特に施術直後は、注入部位を強くマッサージしたり、サウナや激しい運動で血行を良くしすぎたりすることは避ける必要があります。内出血のリスクを高めたり、製剤が移動してしまったりする原因になるからです。

コストパフォーマンスはどう考える?単価だけでなく維持費で比較する

美容医療を続ける上で、費用の問題は避けて通れません。1回あたりの料金だけで比較するとボトックスの方が安価に見えますが、長期的な視点を持つことが重要です。

「安物買いの銭失い」にならないよう、維持費や満足度を含めたトータルのコストパフォーマンスで考えましょう。あなたの予算内で無理なく続けられるプランを立てることが大切です。

1回あたりの費用はボトックスが手頃

一般的に、額のボトックス注射は数万円程度から受けられるクリニックが多く、初期費用としては比較的リーズナブルです。美容医療の入り口として選ばれやすいのも頷けます。

しかし、前述の通り効果の持続は3〜4ヶ月程度です。常に完璧な状態をキープしようとすると、年に3回から4回の施術が必要になります。

1回ごとの支払いは軽くても、年間トータルで見るとそれなりの金額になることを計算に入れておく必要があります。

ただ、継続すると効果が長持ちしやすくなる傾向もあるため、長い目で見ればコスパが良くなるケースもあります。

ヒアルロン酸は持続期間が長め

ヒアルロン酸は、製剤1本(1cc)あたりの単価が設定されている場合が多く、額全体を綺麗に整えるには2〜3本以上必要になるケースもあります。

そのため、初回の支払額はボトックスに比べて高額になりがちで、十万円単位の出費になる方も珍しくありません。

しかし、一度定着すれば半年から1年以上効果が持続することが多いため、通院の頻度は少なくて済みます。

「何度もクリニックに通うのが面倒」「一度でしっかり変化を出したい」という方にとっては、時間的なコストも含めたパフォーマンスは高いと言えます。

賢く続けるための予算計画のポイント

  • 年間予算を決める:1回ごとの支払いではなく、「年間で美容にいくら使えるか」を設定し、医師に相談しましょう。
  • モニター制度の活用:写真提供などを条件に、正規料金より安く施術を受けられる制度があるクリニックを探してみるのも一手です。
  • 会員制度やポイント:リピーター向けの割引やポイント制度が充実しているクリニックを選ぶと、継続的なコストを抑えられます。
  • 品質への投資:初回は少し高くても、持続性が良い高品質な製剤を選ぶ方が、結果的に注入回数が減り、トータルコストが安くなる場合があります。

「安い」には理由がある?製剤の種類による価格差の秘密

クリニックのホームページを見ていると、同じボトックスやヒアルロン酸でも価格に大きな開きがあることに気づくでしょう。これには明確な理由があります。

例えばボトックスなら、厚生労働省の承認を受けた「アラガン社製」と、より安価なジェネリック的な製剤があります。

安すぎる製剤は不純物が多く、繰り返し打つと抗体ができて効かなくなるリスクも指摘されています。

ヒアルロン酸も同様に、持続性や形成力に優れた高級製剤と、吸収が早い安価な製剤が存在します。価格だけで選ばず、その製剤の特徴をしっかり確認しましょう。

実は「併用」が正解かも?ボトックスとヒアルロン酸を組み合わせるメリット

ここまで「どっちを選ぶか」という視点でお話ししてきましたが、実は美容医療の現場では「両方使う」という選択肢が非常にポピュラーであり、かつ満足度が高いことをご存知でしょうか。

それぞれの得意分野を掛け合わせると、単独治療では届かない、より洗練された仕上がりを目指せます。

深いシワには「動きを止めて」から「溝を埋める」のが鉄則

深く刻まれた固定ジワがある場合、ヒアルロン酸だけ入れても、筋肉が激しく動いてしまえば意味がありません。せっかく入れたヒアルロン酸が移動したり、筋肉の動きによって吸収が早まったりするからです。

逆にボトックスだけでは、深い溝は完全には消えません。そこで、まずはボトックスで筋肉の動きを鎮静化させ、シワが寄らない静かな環境を作ります。

その上で、残った溝や凹みにヒアルロン酸を注入する。この「コンビネーション治療」を行うと、シワを徹底的に目立たなくし、さらにその美しい状態を長くキープすることが可能になります。

額の丸みを出しつつ表面を滑らかにする相乗効果

年齢とともに額の骨が痩せ、ゴツゴツとした印象になってくる場合があります。この「額の痩せ」と「表情ジワ」が同時に起きている場合、併用治療は劇的な若返り効果をもたらします。

併用治療(コンビネーション)のメリット整理

アプローチ単独治療の場合の限界併用治療で期待できること
シワへの効果深い溝が残る(ボトックス)
動きで寄れてしまう(ヒアルロン酸)
動きを止めつつ溝も埋めるため、最もシワが目立たなくなる
持続性筋肉の動きにより吸収が早まることがある筋肉の動きを抑えることで、ヒアルロン酸の定着と持続が良くなる
美的仕上がりシワは消えるが皮膚感はそのまま丸みのある立体感と、陶器のような滑らかな肌質を同時に実現

ヒアルロン酸で額全体に美しい丸み(オデコ形成)を作り出し、ボトックスで表面の小ジワをピーンと張らせる組み合わせにより、単にシワがないだけでなく、光を反射するようなツヤのある女性らしく上品な額を手に入れられます。

お互いの欠点を補い合い、長所を伸ばすのが併用治療の醍醐味です。

同日にできるの?段階を踏む場合のスケジュールの組み方

クリニックの方針によって異なりますが、同日に両方の施術を行うことは技術的に可能です。忙しくて何度も通えない方には大きなメリットでしょう。

ただし、より精密な仕上がりを求める場合は「二段階方式」が推奨されるときもあります。まずボトックスを打ち、その効果が安定する2週間後にヒアルロン酸を入れる方法です。

ボトックスで筋肉の状態を整えてからヒアルロン酸を入れると、必要な注入量を正確に見極められるため、より自然で無駄のない仕上がりが期待できます。

失敗しないためのクリニック選び!医師の技術を見極めるチェックポイント

額のシワ治療は、単に注射を打つだけの単純な作業ではありません。解剖学的な知識、美的センス、そしてあなたの筋肉のクセを見抜く観察眼が必要です。

「近所だから」「安いから」という理由だけで選ぶと、失敗のリスクが高まります。信頼できるドクターに出会うために、カウンセリングで確認すべきポイントを押さえましょう。

額の解剖学に精通しリスク回避の説明ができるか

良い医師は、メリットだけでなくリスクについても包み隠さず説明してくれます。「絶対に大丈夫です」と安請け合いする医師には注意が必要です。

「あなたの場合はまぶたが重くなりやすい骨格なので、注入位置をこう調整します」といったように、あなたの顔立ちに合わせた具体的なリスク回避策を提案してくれる医師を選びましょう。

特に額は、眉毛の動きや目の開き方と連動しています。診察時にあなたの顔の動きをしっかりと観察し、目を開けたり閉じたりさせながらシミュレーションしてくれる医師なら、信頼度は高いと言えます。

「形成外科専門医」や「注入指導医」などの資格も目安の一つ

医師の技術を客観的に判断する一つの指標として、経歴や資格を確認するのも有効です。

例えば、日本形成外科学会が認定する専門医であれば、顔の筋肉や神経、骨格の構造について深い知識を持っています。解剖学を熟知しているかどうかは、事故を防ぐ上で非常に重要です。

また、製剤メーカーが認定する「指導医(他の医師に注入技術を教える立場の医師)」であれば、技術レベルが高い可能性が高いでしょう。HPのプロフィール欄で経歴をチェックすることは、失敗を避けるための第一歩です。

安心して任せられるクリニック選びのチェック

  • 症例写真の豊富さ:自分と似たような額の症例があり、その仕上がりが自分の好みと合っているか確認しましたか?
  • 料金体系の明瞭さ:麻酔代やカニューレ代など、追加費用について事前に明確な説明がありますか?
  • アフターケアの体制:万が一トラブルが起きた時の連絡先や、修正対応(リタッチ)の保証制度はありますか?
  • カウンセリングの時間:流れ作業ではなく、あなたの悩みや希望を聞く時間を十分に取ってくれていますか?
  • 使用製剤の開示:どのメーカーの何という製品を使うのか、パッケージを見せて説明してくれますか?

カウンセリングで「NO」と言ってくれる医師は信頼できる

あなたが「ヒアルロン酸を入れたい」と言っても、医師が診察して「今の状態で入れると不自然になるからボトックスの方が良い」と、希望とは違う提案をしてくれる場合があります。

これは、クリニックの利益よりもあなたの仕上がりや安全を優先してくれている証拠です。イエスマンではなく、プロの視点で正直な意見をくれる医師こそ、長く付き合えるパートナーになり得ます。

施術を受ける前に準備すること・当日の注意点と心構え

いざ治療を受けると決めたら、当日に向けて少しだけ準備をしておきましょう。体調を整えることはもちろん、直前の行動によっては内出血のリスクを高めてしまう場合もあります。

スムーズに施術を終え、ダウンタイムを最小限に抑えるための事前知識をお伝えします。

血行を良くするサプリメントや薬は数日前から控えましょう

内出血を避けるために意外と重要なのが、摂取しているサプリメントや薬の調整です。

例えば、血液をサラサラにする作用があるEPA/DHAのサプリメント、ビタミンE、あるいは頭痛薬(アスピリン系)などは、血が止まりにくくなり、内出血が広がる原因になるときがあります。

もし医師から処方されている薬でなければ、施術の3日〜1週間前から摂取を控えるのが賢明です。もちろん、持病のお薬に関しては自己判断せず、必ず主治医や施術担当医に相談してください。

大事な予定の直前は避け余裕を持ったスケジュールを

前述した通り、ボトックスの効果が出るまでのタイムラグや、ヒアルロン酸の腫れや内出血のリスクを考慮すると、スケジュール管理は非常に重要です。

結婚式、同窓会、写真撮影などの「絶対に外せないイベント」がある場合は、そこから逆算して日程を決めましょう。

施術前後の理想的なタイムライン

時期やるべきこと・注意点
1ヶ月前クリニック選び、カウンセリング予約、なりたいイメージの収集
1週間前血流を良くするサプリの一時中止、飲酒を控え体調を整える
施術当日ノーメイクまたは落としやすいメイクで来院、帽子やサングラス(隠す用)の持参
施術後〜3日激しい運動、サウナ、長風呂、飲酒を控える(炎症を抑えるため)
2週間後経過観察(タッチアップが必要かどうかの確認時期)

初めての施術であれば、万が一の修正期間も含めて、イベントの1ヶ月前くらいに受けるのが最も安心です。直前での駆け込み施術は、リスクが起きた際に対処できなくなるためおすすめできません。

「なりたい額」のイメージ画像を持参すると伝わりやすい

「自然にしたい」という言葉一つとっても、その捉え方は人それぞれです。シワが全くないツルツルの状態が良いのか、ある程度表情を残したナチュラルさが良いのか。言葉での説明は誤解を生むことがあります。

理想とする芸能人の写真や、なりたくない状態の写真を持参すると、医師とのイメージ共有がスムーズになります。当日は前髪を上げやすい髪型で行くのも、診察をスムーズにする小さなコツです。

よくある質問

ボトックスの効果が切れたら、以前よりシワが深くなることはありますか?

いいえ、ボトックスの効果が切れたからといって、以前よりもシワが悪化することはありません。むしろ、ボトックスが効いている期間は筋肉を使わずに休ませていたことになるため、シワの進行を遅らせる「貯金」ができていた状態と言えます。

中断すれば徐々に元の状態に戻っていきますが、リバウンドのように急激に深くなる心配はありませんのでご安心ください。

額にヒアルロン酸を入れると、触った時にブヨブヨしませんか?

適切な種類のヒアルロン酸を使用していれば、不自然なブヨブヨ感が出るケースは稀です。額の形成には、ある程度硬さがあり、形を維持する力(弾性)が高い製剤が選ばれます。

注入直後は多少の違和感がある場合もありますが、数週間で周囲の組織と馴染み、自然な骨のような硬さになります。柔らかすぎる製剤を使うとブヨブヨ感が出る場合があるため、製剤選びが非常に重要です。

ボトックスとヒアルロン酸、痛みはどちらが強いですか?

感じ方には個人差がありますが、一般的にヒアルロン酸注入の方が痛みを強く感じやすいと言われています。ボトックスは細い針で皮膚の浅い部分にチクチクと刺す痛みですが、短時間で終わります。

一方、ヒアルロン酸は注入の際に皮膚の下で製剤が広がるような圧迫感や鈍痛を感じるときがあります。ただし、最近のヒアルロン酸製剤には麻酔成分が含まれているものが多く、注入中の痛みはかなり軽減されています。

初めての額のシワ治療で失敗したくないのですが、少量から試すことはできますか?

はい、可能です。特にボトックスに関しては、初めての方は「マイルドな量」からスタートすることを推奨する医師も多いです。

足りなければ2週間後に足す「タッチアップ」は簡単ですが、一度入れて効きすぎたものを抜くことはできないからです。

ヒアルロン酸も同様に、まずは気になる深い溝だけを部分的に埋めてみて、様子を見てから全体的なボリュームを足すという段階的な取り組みが可能です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

分山博文

分山博文 トータルスキンクリニック院長

2007年東京医科大学卒業。「美容医療はビジネス色が強すぎる」という業界の現状に疑問を抱き、「利益よりも倫理」「不要な施術は勧めない」という信念のもと、大手美容クリニック勤務を経て2021年に福岡市中央区(天神・大名地区)にてトータルスキンクリニックを開院。「誠実な対応・高度な技術・継続しやすい価格」を理念に掲げ、アップセル(高額な施術への誘導)を行わない、患者様本位の美容医療を提供している。