眉間のシワをボトックスで解消!効果の持続と打つべき場所の基準を詳しく解説

鏡を見るたびに気になってしまう眉間の縦ジワ。不機嫌に見られたり、実年齢よりも老けて見られたりすることに悩んでいませんか。
この記事では、眉間のシワに対するボトックス注射の効果持続期間や、失敗しないために知っておくべき打つ場所の基準、さらには製剤の選び方までを網羅的に解説します。
シワのない滑らかな額を取り戻し、明るく若々しい印象を手に入れるための第一歩を一緒に踏み出しましょう。
眉間のシワができる原因とボトックスが効く理由
眉間に刻まれるシワは、単なる加齢による皮膚の衰えだけが原因ではありません。日々の表情の癖や筋肉の使い方が大きく関係しており、無意識の積み重ねが深い溝を作ります。
ボトックスがなぜこの部位に特効薬のように働くのか、その理由を筋肉の構造から紐解いていきましょう。表情筋の動きとシワの関係、そしてボトックスがどのように作用してシワを解消するのかを詳しく解説します。
表情筋の動きがシワとして刻まれる仕組み
私たちは怒ったり、困ったり、あるいは集中したりするときに、無意識のうちに眉間に力を入れています。このとき動いているのが「皺眉筋(しゅうびきん)」と「鼻根筋(びこんきん)」という筋肉です。
皺眉筋は眉毛を内側に寄せる働きをし、鼻根筋は眉間を引き下げる働きをします。若い頃は皮膚に弾力があるため、表情を戻せばシワも消えますが、年齢とともに回復力が低下していきます。
長年にわたって同じ場所で皮膚が折り畳まれ続けると、紙を何度も折ると折り目がつくのと同じように、皮膚そのものに深い溝が刻まれてしまいます。これが「表情ジワ」と呼ばれるものです。
特に眉間は皮膚が厚く、強い筋肉が存在するため、深くくっきりとしたシワができやすい特徴があります。
スマートフォンを見ているときや寝ている間に、知らず知らずのうちに眉間にシワを寄せているケースも多くあります。
筋肉の動きを抑えるボトックスの働き
ボトックス(ボツリヌス療法)は、この過剰に働いてしまう筋肉の動きを一時的にリラックスさせる治療法です。ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質を精製した薬剤を使用します。
筋肉に注入すると、神経から筋肉への「動け」という指令(アセチルコリンの放出)をブロックします。指令が届かなくなった筋肉は、力を入れたくても入れられず、緩んだ状態になります。
すると、眉を寄せようとしても寄らなくなり、結果として皮膚が折り畳まれることがなくなります。これがボトックスによってシワが消える基本的な原理です。
重要なのは、皮膚そのものを引っ張って伸ばすのではなく、シワを作る「原因」である筋肉の収縮を止めるという点です。
そのため、既に刻まれてしまった深いシワだけでなく、これからできるシワの予防にも良い効果を発揮します。
既に深く刻まれたシワへのアプローチ
「無表情にしていても眉間に深い溝が残っている」という場合、ボトックスだけで完全に平らにするのは難しいケースがあります。長年の表情癖によって、真皮層のコラーゲン繊維などが断裂しているからです。
まるで傷跡のように溝が残ってしまっている状態と言えます。しかし、だからといってボトックスが無意味なわけではありません。ボトックスを打つと、それ以上シワが深くなるのを食い止められます。
さらに、筋肉の動きが止まるため皮膚が休まり、自身の肌の再生力によって徐々に溝が浅くなっていく状態も期待できます。より深い溝に対しては、複合的な治療が有効です。
ボトックスで動きを止めた上で、ヒアルロン酸などを注入して溝を埋める併用治療を行うと、劇的な改善が見込めます。自分のシワがどの段階にあるのかを見極め、適切な治療法を選択しましょう。
シワの状態別推奨アプローチ
| シワの状態 | 特徴 | 推奨されるアプローチ |
|---|---|---|
| 初期の表情ジワ | 表情を作った時だけシワが現れ、真顔に戻ると消える。 | ボトックス単独治療でほぼ完全に消失し、予防効果も高い。 |
| 中程度の定着ジワ | 真顔でもうっすらと線が見えるが、指で伸ばすと消える。 | ボトックスを継続することで、徐々にシワが薄くなる可能性が高い。 |
| 重度の深い刻まれジワ | 真顔でも深い溝があり、指で伸ばしても線が残る。 | ボトックスで進行を止めつつ、ヒアルロン酸注入やPRP療法などを併用する。 |
施術を受ける前に知っておきたい効果の持続期間
ボトックスは一度打てば永久に効く魔法の薬ではありません。効果には限りがあり、適切なタイミングで再注入を行うことが、美しい状態を保つ鍵となります。
いつ効果が現れ、いつ消えていくのか、そのタイムラインを正しく理解しておきましょう。効果の現れ方から消失までの一般的な経過について詳しく説明します。
注射後いつから効果を実感できるのか
ボトックスを注入した直後から、すぐに筋肉が動かなくなるわけではありません。薬剤が神経終末に取り込まれ、作用を発揮するまでには数日のタイムラグがあります。
一般的には、施術後2〜3日目あたりから「あれ?少し眉が寄せにくくなったかな?」と感じ始めます。そして、1週間から2週間ほど経過した時点で効果が最大になります。
この時期になると、思い切り眉間に力を入れようとしてもピクリとも動かず、表面の皮膚はピンと張った状態になります。そのため、大切なイベントに合わせて施術を受ける場合は注意が必要です。
結婚式や同窓会などの予定があるなら、2週間前には施術を済ませておくのが理想的です。直前すぎると効果が間に合わず、早すぎるとピークを過ぎてしまう可能性があるため、逆算してスケジュールを組みましょう。
効果のピークと徐々に薄れるタイミング
効果のピーク(筋肉が完全にリラックスしている状態)は、個人差はありますが、注入後1ヶ月から2ヶ月程度続きます。この期間は、ストレスを感じてもシワができず、常に穏やかな表情を保つてます。
3ヶ月を過ぎたあたりから、神経の働きが少しずつ回復し始めます。これは人間の体が持つ自然な治癒力によるものです。徐々に眉間に力が入るようになり、薄っすらと動きが戻ってきます。
ただ、いきなり元の状態に戻るわけではありません。4ヶ月から6ヶ月かけて、ゆっくりと効果が消失していきます。この「徐々に切れる」期間も、完全に筋肉が動くわけではないため、シワ予防の効果はある程度続いています。
次回の施術を受けるベストな時期
では、次はいつ打てば良いのでしょうか。完全に効果が切れて、元のシワシワの状態に戻ってから打つのでは、再びシワを刻み込む期間を作ってしまうことになります。
これではせっかくの予防効果が薄れてしまいます。ベストなタイミングは、「少し動きが出てきたかな?」と感じる3ヶ月から4ヶ月後です。
まだ少し効果が残っている段階で次の注入を行うと、筋肉が完全に回復する隙を与えず、シワのない状態をキープし続けられます。
また、このサイクルで継続的に打つことには別のメリットもあります。
筋肉自体が「使われない状態」に慣れ、徐々に萎縮して小さくなっていくのです。その結果、将来的には効果の持続期間が長くなったり、必要な注入量が減ったりするという好循環が生まれます。
効果の経過と注意点まとめ
- 施術後2〜3日で効果が出始め、2週間でピークに達するため、イベントの2週間前の施術が良い。
- 効果の持続は通常3〜4ヶ月程度だが、製品や個人差、打つ量によって多少前後する。
- 完全に効果が切れる前に再注入すると、シワのない滑らかな肌を維持しやすくなる。
- 半年以上間隔を空けすぎると、筋肉が元の強さに戻ってしまい、再び深いシワが刻まれるリスクがある。
失敗を防ぐために打つべき場所と避けるべき部位
眉間ボトックスで最も恐れられているのが、「目が開きにくくなる」「表情が不自然になる」といった失敗です。これらは、打つべき場所と打ってはいけない場所の判断ミスによって起こります。
解剖学的な知識に基づいた正確な注入がいかに重要か、詳しく見ていきましょう。安全な施術のために知っておくべき注入ポイントの基準を解説します。
皺眉筋への正確なアプローチが必要な理由
眉間のシワの主犯格である「皺眉筋」は、眉毛の内側から中央にかけての深い部分に位置しています。この筋肉をしっかりと狙い撃ちしなければ、シワを止めることはできません。
医師は、患者様に実際に眉をひそめてもらい、筋肉の盛り上がりや強さ、走行(筋肉がどの方向に走っているか)を指先で確認します。人によって筋肉の形や大きさは千差万別だからです。
教科書通りの場所に打つだけでは不十分で、その人の筋肉の動きに合わせたオーダーメイドのデザインが必要です。適切な深さと場所に注入されることで初めて、自然な表情を保ちながらシワだけを消せます。
浅すぎると皮膚表面に影響が出るだけで筋肉には効かず、深すぎると骨膜に当たって痛みを伴う場合もあります。経験豊富な医師が重宝されるのは、この「深さと位置の見極め」の精度が高いからです。
打ってはいけない危険なゾーンとは
絶対に避けなければならないのが、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)への拡散です。眉毛の外側や、あまりに低い位置(目の近く)にボトックスが流れてしまうと、重大なトラブルにつながります。
眼瞼挙筋まで麻痺してしまうと、目が開かなくなる「眼瞼下垂」の症状を引き起こします。こうなると、数ヶ月間重たいまぶたで過ごさなければならず、視野が狭くなり日常生活に大きな支障をきたします。
さらに、額の筋肉(前頭筋)の下部にまで効果が及んでしまうケースも要注意です。眉毛が全体的に下がり、目つきがきつくなったり、二重の幅が狭くなって老けた印象になったりするケースがあります。
これらの「危険ゾーン」を避けるため、通常は眉毛の上ラインから1〜2cmほど離れた位置を安全圏として設定します。その上で、薬剤が広がらないよう慎重に注入箇所を決定します。
デザインによって変わる表情の仕上がり
ボトックスは単にシワを消すだけでなく、打ち方によって眉の形を微妙に変えることも可能です。例えば、眉間の筋肉の働きを弱めると、相対的に額の筋肉が優位になる場合があります。
その結果、眉尻が少し上がってリフトアップしたような印象を作れます。
しかし、バランス調整を誤ると、眉の外側だけが極端に上がってしまう場合があります。怒っていないのに怒っているように見える「スポック眉(ミスター・スポックのような眉)」などが代表的な例です。
これは、眉間の中央部分だけが効きすぎて、外側の筋肉が代償的に強く動いてしまうために起こります。
このような事態を防ぐために、中央だけでなく外側のバランスも見ながら注入を行います。場合によっては微量のボトックスを眉山の上に追加して調整するなど、繊細なデザイン力が求められます。
注入部位と予想されるリスク
| 注入エリア | 目的とする効果 | 誤った注入時のリスク |
|---|---|---|
| 眉間中央(鼻根筋付近) | 横ジワの解消、眉間の引き下げ防止 | 鼻背部への拡散による不自然な笑顔 |
| 眉頭(皺眉筋内側) | 縦ジワの根本的な改善 | 眼瞼挙筋への拡散による眼瞼下垂 |
| 眉山付近(皺眉筋外側) | 眉の不自然な挙上の抑制 | 眉毛下垂、まぶたの重み、二重幅の減少 |
単位数(量)の目安と適正な量を見極めるポイント
「何単位打てばいいですか?」という質問は非常に多いですが、これには唯一の正解はありません。筋肉の強さが人それぞれ異なり、生活習慣によっても左右されるからです。
しかし、安全かつ効果的な基準値は存在します。一般的な単位数の目安と、自分に合った量を見つけるための考え方について説明します。
眉間のシワに必要な一般的な単位数
眉間ボトックスにおいて、日本国内で一般的に推奨されている量は、アラガン社の基準で言うと「10単位〜20単位」程度です。多くのクリニックでは、この範囲内を「標準量」として設定しています。
女性の場合、男性に比べて筋肉が薄く弱いため、10〜15単位程度で十分に効果が出るケースが多いです。
一方、男性や、表情癖が強く筋肉が発達している方の場合は、20単位、あるいはそれ以上が必要になるケースもあります。
量が少なすぎると「効かなかった」「すぐ切れた」という不満につながります。逆に多すぎると「顔が固まる」「表情が乏しくなる」というリスクにつながるため、バランスが重要です。
初めての方は、まずは標準的な量からスタートするのが賢明です。その結果を見て、次回の量を微調整するのが最も安全な方法と言えるでしょう。
筋肉の強さに応じた量の調整方法
ご自身の筋肉が強いかどうかを判断する簡単な方法は、鏡を見て思い切り眉をひそめてみることです。眉毛が大きく動き、深い溝ができるなら筋肉は強いと言えます。
日常生活の癖も大きく影響します。日常的にスポーツをしていて歯を食いしばる癖がある方や、視力が悪くて目を凝らす癖がある方も、眉間の筋肉が発達している傾向にあります。
医師は、触診で筋肉の厚みを確認し、シワの深さを考慮して単位数を決定します。「しっかり止めたい」のか、「自然な動きを残したい」のか、希望を伝えることも大切です。
自然な仕上がりを求める場合は、あえて少なめの単位数で打つときもあります。足りなければ2週間後にタッチアップ(追加注入)をするという段階的な方法をとれば、効きすぎのリスクを回避できます。
量が多すぎると起きるスポック眉などのトラブル
「せっかく打つなら、しっかり効かせたいからたくさん打ってください」というリクエストは危険です。必要以上に多い量のボトックスを注入すると、様々な弊害が生じます。
筋肉が過剰に麻痺してしまい、表情が能面のようになってしまう場合があります。
また、薬剤の量が増えると、それだけ周囲の筋肉へ拡散するリスクも高まります。これが前述した眼瞼下垂や眉毛下垂の原因となります。
さらに、不適切なバランスで大量に打つと、眉尻だけが吊り上がる「スポック眉」のリスクも増大します。
ボトックス治療においては「大は小を兼ねない」ということを肝に銘じておく必要があります。ご自身の筋肉量に見合った適量を守ることが、美しさを保つための鉄則です。
筋肉量と推奨単位数の目安
| タイプ | 筋肉の特徴 | 推奨単位数(目安) |
|---|---|---|
| ライト(標準的な女性) | 眉をひそめるとシワができるが、力はそれほど強くない。 | 8〜12単位 |
| ミディアム(表情癖あり) | 無意識に力を入れる癖があり、筋肉に厚みがある。 | 12〜16単位 |
| ヘビー(男性・強力な癖) | 非常に強い力でシワが寄り、深い溝が定着している。 | 16〜20単位以上 |
ボトックス製剤の種類による違いと選び方
クリニックのメニューを見ると、「アラガン社製」「韓国製」など、複数の種類のボトックス製剤が並んでいて迷うときがあるかもしれません。価格差も大きく、どれを選べば良いのか判断に困る方も多いでしょう。
主要な製剤の特徴と選び方の基準を詳しく解説します。それぞれのメリットとデメリットを理解して、ご自身の優先順位に合ったものを選びましょう。
厚生労働省承認薬アラガンの特徴
「ボトックスビスタ」という商品名で知られるアラガン社の製剤は、日本で唯一、厚生労働省の承認を取得しているボツリヌス治療薬です。世界中で最も多くのシェアを持っています。
膨大な臨床データと長い歴史に裏打ちされた信頼性が最大の魅力です。品質管理が非常に厳格で、薬剤の効果が安定している点が高く評価されています。
「ロットごとのばらつきが少ない」「狙った範囲に留まりやすく、予期せぬ拡散が起きにくい」といった特徴があります。そのため、精密なデザインが求められる眉間のような部位には特に適しています。
万が一副作用が起きた場合の救済制度の対象にもなるため、安心感を最優先したい方にはアラガン製剤を選ぶことが強く推奨されます。
韓国製製剤のコストパフォーマンスと安全性
「ボツラックス」や「ニューロノクス」などに代表される韓国製の製剤は、ジェネリック医薬品のような位置付けです。アラガン製剤と非常に似た構造を持っています。
最大の特徴は、コストパフォーマンスの良さです。アラガン製剤の半額程度で提供されているケースも珍しくなく、経済的な負担を軽くできます。
「安いから危険なのでは?」と心配されることがありますが、韓国のKFDA(食品医薬品安全庁)の承認を受けています。安全性や効果に関してはアラガン製剤と遜色ないという臨床報告も多くあります。
実際に多くのクリニックで使用されており、満足度の高い結果を出しています。「継続して打ちたいから費用を抑えたい」という方にとっては、非常に魅力的な選択肢となります。
持続性や抗体のリスクに違いはあるのか
持続期間に関しては、アラガン製剤の方が若干長く持つという医師の意見もあれば、韓国製でも変わらないという意見もあります。大きな差はないと考えられていますが、品質の安定性ではアラガンが優位です。
もう一つ気になるのが「抗体」の問題です。繰り返し打つことで体に抗体ができ、ボトックスが効かなくなる現象ですが、これは製剤に含まれるタンパク質の量に関係しています。
最新の製剤(ゼオミンやコアトックスなど)は、このタンパク質を除去して抗体リスクを極限まで下げたものもあります。
将来的に長く打ち続けることを考えて、抗体リスクの低い製剤を選ぶというのも賢い選択の一つです。
特に、若い年齢から打ち始める方や、多部位に打つ予定のある方は、抗体ができにくい製剤を検討する価値が十分にあります。
主要なボトックス製剤の比較
| 製剤名(種類) | 承認・信頼性 | 価格帯 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|
| ボトックスビスタ(アラガン社) | 厚労省承認。世界シェアNo.1で信頼性が極めて高い。 | 高め | 安全性と品質を最優先し、失敗したくない人。 |
| ボツラックス他(韓国製) | KFDA承認。アラガンのジェネリック的位置付け。 | 安い | コストを抑えて定期的に継続したい人。 |
| コアトックス・ゼオミン(次世代) | 複合タンパク質除去により抗体リスクを低減。 | やや高め | 長期間打ち続ける予定で、耐性がつくのを防ぎたい人。 |
施術当日の流れとダウンタイムの過ごし方
ボトックス注射は「プチ整形」と呼ばれるほど手軽な施術ですが、医療行為であることに変わりはありません。
安心して施術を受けるために、当日の具体的な流れと、帰宅後の過ごし方について理解しておきましょう。特に直後の行動が効果の定着を左右することもあるため、注意が必要です。
カウンセリングから注入までの所要時間
施術自体は驚くほど短時間で終わります。クリニックに到着後、まずは医師とのカウンセリングで注入場所と単位数を決定します。ここで不安な点はすべて質問しておきましょう。
その後、注入部位を冷却(アイシング)し、痛みを軽減させます。実際の注射にかかる時間は、わずか5分から10分程度です。
極細の針を使用するため、痛みは「チクリとする程度」と感じる方がほとんどです。痛みに弱い方は、麻酔クリームや笑気麻酔を使用できるクリニックもありますので相談してみましょう。
トータルでも来院から30分〜1時間程度で帰宅できるため、仕事帰りや買い物の合間に受ける方も少なくありません。この手軽さがボトックス治療の大きな魅力の一つです。
直後のメイクや洗顔に関する注意点
ボトックス注射の最大のメリットは、ダウンタイムがほとんどない点です。施術直後からメイクをして帰れます。
ただし、針を刺した直後は小さな穴が開いている状態です。そこから雑菌が入るのを防ぐため、注入部位を強くこすったり、汚れたパフを使ったりするのは避けましょう。
洗顔やスキンケアも当日から可能ですが、ゴシゴシとマッサージをするのは厳禁です。注入した薬剤が周囲に広がってしまう恐れがあるためです。
施術後1週間程度はエステや顔のマッサージを控え、優しく肌に触れるように心がけてください。定着するまでの期間は、患部を安静に保つことが美しい仕上がりにつながります。
内出血や腫れが出た場合の対処法
稀に、針が細い血管に当たってしまい、内出血(青あざ)ができる場合があります。また、直後は蚊に刺されたような小さな膨らみができるときもありますが、これは数時間で消失します。
内出血が出てしまった場合も、通常は1〜2週間で黄色くなり自然に消えていきます。コンシーラーで隠せる程度のものである方がほとんどですが、大切な予定が直近にある場合は注意が必要です。
もし腫れや内出血が起きた場合は、冷たいタオルなどで軽く冷やすと落ち着きやすくなります。ただし、冷やしすぎも良くないので適度に留めましょう。
当日は血行が良くなることを避けるのが賢明です。激しい運動、サウナ、長風呂、過度な飲酒などは、血流を促進させて内出血のリスクを高める可能性があります。
施術後の過ごし方チェック
- 施術後4時間程度は、薬剤を定着させるために横にならず、起き上がった姿勢を保つことが推奨される。
- 当日の入浴はシャワー程度にし、体を温めすぎて血流を良くしすぎないようにする。
- 注入部位を揉んだり圧迫したりすると、薬剤が意図しない筋肉へ流れる原因になるため絶対に避ける。
- 激しい運動や飲酒は、内出血や腫れを悪化させる可能性があるため当日は控えるのが無難。
継続して打ち続けるメリットとやめた場合の影響
「一度打ったら打ち続けなければならないの?」という疑問を持つ方は多いです。ボトックスは永続的なものではないため、効果を維持するには継続が必要です。
しかし、実は打ち続けること自体にも大きなメリットがあります。長期的な視点でのボトックスとの付き合い方について解説します。
定期的な注入がシワ予防になる理由
ボトックスを定期的に打つことは、最高のアンチエイジングになります。シワは皮膚が何度も折り畳まれることで深く刻まれていきますが、ボトックスで筋肉の動きを止めている間は、皮膚が折り畳まれません。
つまり、ボトックスが効いている期間は「シワの進行が完全にストップしている時間」と言えます。この期間が長ければ長いほど、将来の肌年齢に差がつきます。
例えば、30代からボトックスを定期的に続けている人と、何もしなかった人では、50代になった時のシワの深さに圧倒的な差が出ます。
深く刻まれてしまってから高い治療費をかけて治すよりも、シワができる前に予防としてボトックスを打つ方が、結果的にコストも安く、若々しい肌を長く保てるのです。
途中でやめるとシワは急激に悪化するのか
「やめたら反動で余計にシワがひどくなるのでは?」と心配されるときがありますが、そのようなことは医学的にありません。
ボトックスをやめれば、数ヶ月かけて徐々に筋肉の動きが戻り、自然な老化プロセスが再開されるだけです。急激に老け込んだり、以前より状態が悪くなったりすることはありません。
むしろ、打っていた期間分だけシワの進行を止めていたわけですから、実年齢よりも若い状態から再スタートできると考えられます。
妊娠や出産、経済的な事情などで一時的に中断しても全く問題ありません。自分のペースでいつでも再開できますので、気軽に始めてみるのも良いでしょう。
長期間打ち続けた場合の筋肉の変化
興味深いことに、ボトックスを長期間継続していると、筋肉自体が「使わないこと」によって少しずつ痩せていきます(廃用性萎縮)。
これは悪いことではなく、眉間のシワを作る筋肉に関しては好都合です。筋肉が弱まるため、以前よりもシワを寄せる力が弱くなります。
結果として、ボトックスの効果が長持ちするようになったり、必要な注入量が減ったりする傾向があります。最初は3〜4ヶ月に一度打っていたのが、次第に半年に一度で良くなるというケースも珍しくありません。
このように、継続するとより効率的に若さを維持できるサイクルに入ることができるのです。「続けるほどにお得になる治療」とも言えるでしょう。
継続利用と中断時の比較
| 状況 | 肌や筋肉の状態 | 将来への影響 |
|---|---|---|
| 定期的に継続した場合 | 常にシワが寄らない状態が保たれ、筋肉も必要最小限に落ち着く。 | 10年後、同年代と比べて明らかにシワの少ない額を維持できる。 |
| 一時的に中断した場合 | 徐々に筋肉の動きが戻り、再びシワが寄り始める。 | 中断した時点から老化が再開するだけで、急激な悪化はない。 |
| 完全にやめた場合 | 元の筋肉の強さに戻り、加齢とともに自然にシワが刻まれていく。 | 打っていた期間の「貯金」はあるものの、最終的には年相応に戻る。 |
よくある質問
眉間ボトックスの効果はどれくらい続きますか?
一般的に、眉間ボトックスの効果は注射後2〜3日で現れ始め、2週間でピークに達します。その後、3〜4ヶ月程度持続し、徐々に筋肉の動きが戻ってきます。
完全に効果がなくなる前に、4ヶ月から半年に1回のペースで継続して受けることが推奨されています。
眉間ボトックスの施術は痛いですか?
眉間ボトックスの痛みは、極細の針を使用するため「チクッとする程度」と表現されることが多いです。
多くのクリニックでは、痛みを軽減するために注入前に冷却を行ったり、希望に応じて麻酔クリームを使用したりできますので、痛みに弱い方でも安心して受けられます。
眉間ボトックス後に気をつけることはありますか?
眉間ボトックス施術後の当日は、薬剤が他の部位に流れるのを防ぐため、施術部位を強く揉んだりマッサージしたりするのは避けてください。
また、内出血のリスクを避けるために、激しい運動、サウナ、長風呂、過度な飲酒などは控え、体を温めすぎないように注意が必要です。施術後4時間程度は横にならずに過ごすことが良いとされています。
眉間ボトックスを打ち続けるとどうなりますか?
眉間ボトックスを適切に打ち続けると、筋肉が「使わない状態」に慣れて徐々に萎縮し、シワを寄せる力が弱くなります。
これにより、シワができにくくなり、効果の持続期間が長くなったり、将来的に深いシワが刻まれるのを強力に予防したりする効果が期待できます。
眉間ボトックスで目が開かなくなることはありますか?
眉間ボトックスの注入位置や量が不適切な場合、薬剤がまぶたを持ち上げる筋肉に作用してしまい、一時的に目が開きにくくなる「眼瞼下垂」が起こるリスクが稀にあります。
これを防ぐためには、解剖学に精通し、経験豊富な医師による正確な診断と施術を受けるのが非常に重要です。
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この記事を書いた人 Wrote this article
分山博文 トータルスキンクリニック院長
2007年東京医科大学卒業。「美容医療はビジネス色が強すぎる」という業界の現状に疑問を抱き、「利益よりも倫理」「不要な施術は勧めない」という信念のもと、大手美容クリニック勤務を経て2021年に福岡市中央区(天神・大名地区)にてトータルスキンクリニックを開院。「誠実な対応・高度な技術・継続しやすい価格」を理念に掲げ、アップセル(高額な施術への誘導)を行わない、患者様本位の美容医療を提供している。