血管塞栓のリスクを回避!こめかみの注入治療で失敗しないための安全な選び方

血管塞栓のリスクを回避!こめかみの注入治療で失敗しないための安全な選び方

こめかみへのヒアルロン酸注入は、顔全体の若返り効果が期待できる人気の施術ですが、血管塞栓という深刻な合併症が起きる可能性があります。

こめかみ周辺には浅側頭動脈をはじめとする重要な血管が走行しており、注入時に製剤が血管内に入り込むと、皮膚壊死や失明につながるケースも報告されています。

この記事では、血管塞栓のリスクを正しく把握したうえで、安全にこめかみの注入治療を受けるために知っておくべき製剤の選び方、医師の見極め方、施術前後の注意点までを丁寧に解説します。

こめかみのヒアルロン酸注入で血管塞栓が起きる仕組みとは

こめかみへの注入治療で血管塞栓が発生する根本原因は、注射針やカニューレの先端が血管内に誤って入り込み、注入された製剤が血流を物理的に遮断してしまうことにあります。

こめかみは皮膚が薄く、血管と注入層の距離が非常に近いため、他の部位と比べて塞栓リスクが高い領域です。

浅側頭動脈とこめかみ周辺の血管走行を正しく把握する

こめかみの皮下には浅側頭動脈(せんそくとうどうみゃく)という太い血管が走っています。この動脈は外頸動脈から分岐し、耳の前方を通って頭頂部へ向かいます。

注入治療の際に問題となるのは、この動脈が比較的浅い位置を走行しているという点です。

さらに、浅側頭動脈の周囲には静脈や細い分枝が網目状に広がっており、解剖学的な個人差も大きいとされています。つまり、教科書どおりの位置に血管があるとは限りません。

そのため、施術する医師が解剖を熟知しているかどうかが、安全性を大きく左右します。

こめかみ周辺の主な血管と注意点

血管名走行位置塞栓リスク
浅側頭動脈耳前方~頭頂部高い
浅側頭静脈動脈に並走中程度
中側頭動脈側頭筋内深部注入時に注意
眼窩上動脈との吻合枝額方向へ分岐失明リスクに関連

フィラー製剤が血管に入り込んだとき体内で起きていること

ヒアルロン酸などのフィラー製剤が血管内に侵入すると、製剤のゲル状の塊が血流を塞ぎ止めてしまいます。動脈が塞がれた場合は、その先の組織に酸素と栄養が届かなくなり、皮膚の色調変化(白色化やチアノーゼ)が数秒から数分以内に出現します。

特に危険なのは、注入された製剤が逆行性に眼動脈へ流れ込むケースです。

こめかみの血管は眼窩周囲の血管と吻合(ふんごう)しているため、大量注入や高い圧力での注入が行われると、製剤が目の血管に到達し、視力障害や最悪の場合は失明を引き起こす可能性があります。

見逃してはいけない血管塞栓の初期症状

施術直後から数時間以内に以下のような症状が出たら、血管塞栓の可能性を疑って直ちに施術医に連絡する必要があります。

注入部位やその周辺の皮膚が急に白くなる、強い痛みが出る、紫色や網目状の変色が広がるといった兆候は見逃してはなりません。

また、目のかすみや視野の一部が欠けるといった視覚症状が現れた場合は、一刻を争う緊急事態です。こうした初期症状を知っておくことが、万が一の際に後遺症を防ぐための最大の備えになります。

こめかみ注入で失敗しやすい人に共通するパターン

こめかみの注入治療で重大なトラブルが起きやすいケースには、いくつかの共通点があります。施術を受ける側が事前に把握しておくだけでも、リスクの高い状況を回避できる可能性が大きく広がります。

価格の安さだけでクリニックを選んでしまう落とし穴

こめかみへの注入は、頬やほうれい線に比べると需要がやや少ないため、経験の浅い医師が担当するケースも珍しくありません。

そうした状況のなかで、施術費用の安さだけを基準にクリニックを選ぶと、解剖学的知識が十分でない医師に当たってしまうリスクが高まります。

費用が極端に安いクリニックでは、使用する製剤の品質や、施術にかける時間が十分でない場合もあります。「安いから」という理由だけで大切な顔の施術先を決めるのは、避けたほうが賢明です。

カウンセリングで確認すべきポイントを見落とす危険

カウンセリングの場で質問をせずに、医師の提案をそのまま受け入れてしまう方は少なくありません。

しかし、こめかみの注入治療においては「どの層に注入するのか」「使用する針の種類は何か」「万が一の塞栓時にどう対処するのか」といった具体的な確認が欠かせません。

医師が丁寧にリスクを説明してくれるかどうかは、そのクリニックの安全意識を測る大きな指標になります。質問に対して曖昧にしか答えてもらえなかった場合は、別のクリニックを検討するのも一つの判断です。

過去の施術歴を正直に伝えないことが引き金になるケースも

以前に別のクリニックでこめかみや額にフィラーを入れたことがあるのに、その情報を伝えずに再度注入を受けると、既存の製剤が血管を圧迫している状態にさらに追加注入されることになります。結果として塞栓リスクが跳ね上がります。

施術歴だけでなく、服用中の薬(特に抗凝固薬)やアレルギー歴なども、正直に医師へ伝えてください。情報が不足したまま施術が進むと、医師側でも十分なリスク判断ができなくなります。

失敗しやすいパターン具体的な行動回避策
価格重視最安値のクリニックを即決医師の経歴と症例数を優先する
質問不足カウンセリングで何も聞かない注入層・針の種類・緊急対応を確認する
情報隠し過去の施術歴を伝えない他院での施術も正直に申告する
即日施術初診当日にそのまま施術一度持ち帰って比較検討する

安全な注入治療のためにフィラー製剤を賢く見極める

こめかみの注入で使う製剤は、万が一の血管塞栓時に溶解できるかどうかが生死を分けるほど重要です。すべてのフィラーが同じ安全性を持っているわけではなく、製剤の種類によってリスクの度合いが大きく変わります。

ヒアルロン酸製剤が安全面で選ばれ続ける明確な根拠

ヒアルロン酸製剤は、血管塞栓が起きた際にヒアルロニダーゼという分解酵素で溶解できるという大きな利点を持っています。

これは他の半永久的なフィラー(CaHA製剤やPLLA製剤など)にはない特性であり、緊急時のリカバリーが可能であることが、安全面で選ばれる最大の理由です。

もちろんヒアルロン酸であれば完全に安全というわけではありませんが、「もしものときに対処できる手段がある」という点は、施術を受ける側にとって心強い判断材料になります。

こめかみに使用される主なフィラー製剤の比較

製剤の種類溶解の可否こめかみへの適性
ヒアルロン酸ヒアルロニダーゼで溶解可能高い(推奨)
CaHA(カルシウムハイドロキシアパタイト)溶解不可塞栓時のリカバリーが困難
PLLA(ポリ乳酸)溶解不可塞栓時のリカバリーが困難

製剤の硬さや粘度がリスクに直結する

こめかみは骨の凹みを埋める施術になるため、ある程度のリフト力を持つ製剤が選ばれやすい部位です。ただし、硬すぎる製剤を使うと注入圧が高くなり、血管内への迷入リスクが上がります。

一方、柔らかすぎる製剤は注入後に流れてしまい、期待した形状を保てません。医師がこめかみの骨格や皮膚の厚みに合わせて、適切な硬さの製剤を選択できるかどうかが、仕上がりと安全性の両方を左右します。

正規品と並行輸入品の違いを見抜くためのチェック方法

日本国内で使用されるヒアルロン酸製剤のなかには、正規代理店を通さずに海外から直接仕入れた並行輸入品が混在しています。

並行輸入品は保管状態や品質管理が不透明なことがあり、製剤の劣化や不純物の混入リスクが否定できません。

施術前のカウンセリングで、使用する製剤のパッケージを見せてもらい、ロット番号や使用期限が確認できるかどうかをチェックしてください。正規品であれば、製造元の名称やシリアルナンバーが明記されたシールが製品に貼付されています。

血管塞栓を防ぐために医師が行うべき安全対策を知っておく

注入治療における血管塞栓の予防は、施術を行う医師の技術と知識に大きく依存します。安全対策をきちんと講じている医師かどうかを施術前に見極めることが、患者さん側にできる最大の防御策です。

カニューレと鋭針の使い分けが安全性を大きく変える

注入に使用する器具には、先端が尖った鋭針(シャープニードル)と、先端が丸いカニューレの2種類があります。カニューレは血管を貫通しにくい構造のため、血管塞栓のリスクを低減できるとされています。

こめかみへの注入では、カニューレの使用がより安全とする見解が多数の文献で示されています。

ただし、カニューレにも技術的な習熟が必要であり、慣れていない医師が使うとかえって組織を傷つけてしまうこともあります。器具の種類だけでなく、医師がその器具に十分な経験を持っているかどうかが肝心です。

アスピレーション(吸引テスト)は万能ではないが有効な安全策

アスピレーションとは、注入前にシリンジのプランジャーを引いて、血液の逆流がないかを確認する手技です。血液が引けた場合は針先が血管内にある可能性が高いため、その位置での注入を中止します。

ただし、アスピレーションだけで血管塞栓を100%防げるわけではありません。陰圧が不十分だったり、微細な血管では血液が引けないこともあるからです。

そのため、アスピレーションは他の安全対策と組み合わせて使うべき手段の一つと考えるのが妥当です。

低圧・少量ずつの注入テクニックが塞栓を遠ざける

一度に大量の製剤を高い圧力で注入すると、血管内への迷入リスクが飛躍的に高まります。安全意識の高い医師は、少量ずつゆっくりとした注入を繰り返す方法を徹底しています。

加えて、注入中に患者の皮膚の色調変化や痛みの訴えを逐一確認しながら進めることが、塞栓の早期発見につながります。「丁寧にゆっくり注入してくれるか」は、施術中に自分自身で感じ取れる安全指標の一つです。

安全対策内容限界・注意点
カニューレの使用血管貫通リスクを低減技術習熟が必要
アスピレーション注入前に血管内でないか確認微細血管では偽陰性あり
低圧・少量注入塞栓時の被害を最小化施術時間が長くなる
超音波ガイド血管の位置をリアルタイム確認導入しているクリニックが限られる

こめかみのフィラー注入で信頼できる医師・クリニックを選ぶコツ

どれほど優れた製剤を使っても、施術する医師の技量が伴わなければ安全は確保できません。信頼できる医師とクリニックを自分の目で選ぶために、押さえておきたい判断基準を具体的に紹介します。

解剖学の知識が豊富な医師を見分ける質問術

こめかみの注入を安全に行うには、顔面の血管走行を熟知しているのが前提条件です。カウンセリングの際に「こめかみ周辺で注意すべき血管はどれですか」「注入する層はどの深さですか」と具体的に質問してみてください。

答えが曖昧であったり、血管名を即答できない医師は、解剖学的な訓練が不足している可能性があります。逆に、図やイラストを使って丁寧に説明してくれる医師は、日常的に解剖を意識して施術に臨んでいると判断できます。

カウンセリングで聞くべき具体的な質問

  • こめかみへの注入で注意する血管の名称と走行
  • 使用する製剤の名称・製造元・溶解可能かどうか
  • カニューレと鋭針のどちらを使うか、その理由
  • 血管塞栓が発生した場合の緊急対応プロトコル
  • ヒアルロニダーゼの院内常備の有無

緊急時の対応体制が整っているクリニックを優先する

万が一の血管塞栓時に迅速な対応ができるかどうかは、クリニック選びにおいて見落とされがちですが極めて重要です。

ヒアルロニダーゼを院内に常備しているか、塞栓発生時の対応マニュアルが存在するか、必要に応じて眼科や形成外科への緊急紹介が可能かどうかを確認しましょう。

塞栓は発生から数時間以内の対応が予後を大きく左右します。「何かあったときにすぐ動ける体制があるか」の事前確認は、決して神経質すぎることではありません。

症例実績と専門資格で医師の経験値を判断する

こめかみへの注入は顔面の中でも難易度が高い部位に分類されるため、その部位に特化した施術経験が豊富な医師を選ぶべきです。

日本美容外科学会や日本形成外科学会の専門医資格を持つ医師であれば、一定水準以上の解剖学的訓練を受けている目安になります。

クリニックのウェブサイトで症例写真が公開されている場合は、こめかみの施術例がどの程度あるかを確認してください。症例数が多いほど、さまざまなケースへの対応力が高いと判断できます。

施術前後のケアで血管塞栓リスクをさらに抑えるための注意点

施術を受ける側の行動や体調管理によっても、血管塞栓のリスクは増減します。施術前後に自分でできる対策を講じると、より安全に治療を受けられます。

施術前に控えるべき薬やサプリメント

アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、魚油サプリメント、ビタミンEサプリメントなどは血液を固まりにくくする作用があるため、施術の1~2週間前から摂取を控えるよう指示されるのが一般的です。

これらの薬剤やサプリメントを使用中の方は、自己判断で中止するのではなく、必ず施術医と処方医の両方に相談してから対応を決めてください。抗凝固薬を服用中の方は特に注意が必要です。

施術直後に異変を感じたときの正しい行動

施術後に注入部位や周辺に強い痛み、皮膚の白色化、紫色の変色、視覚異常などを感じた場合は、様子を見ずに直ちに施術を行ったクリニックに連絡してください。

「少し様子を見よう」という判断が、取り返しのつかない結果につながるケースがあります。

特に、施術当日から翌日にかけての数時間は、症状が急速に進行する可能性がある時間帯です。夜間や休日でも連絡がとれる体制のクリニックを選んでおくと、いざという時に安心です。

アフターケアの正しいスケジュールを守る

施術後は注入部位を強く押したりマッサージしたりするのは避けてください。製剤が意図しない方向へ移動したり、血管を圧迫して二次的な塞栓を引き起こす可能性があるためです。

一般的には、施術当日の激しい運動、長時間の入浴、飲酒も控えるよう指導されます。腫れや内出血が落ち着くまでの1~2週間は、施術部位に過度な刺激を与えないよう意識して過ごしましょう。

時期注意事項推奨される対応
施術1~2週間前NSAIDs・サプリの中止施術医と処方医に相談のうえ判断
施術当日異常の早期発見痛み・変色・視覚異常を即報告
施術後1~2週間物理的刺激の回避マッサージ・激しい運動を控える

二度と後悔しないために|こめかみ注入の安全な選び方チェックリスト

ここまで解説してきた内容を踏まえて、こめかみへの注入治療を受ける前に確認しておきたい項目を整理しました。一つひとつ照らし合わせると、リスクの高い施術を回避できます。

施術前に必ず確認すべき安全チェック項目

こめかみの注入治療を受ける前には、製剤・医師・クリニック体制の3つの軸で確認することが大切です。製剤については、ヒアルロン酸である、正規品である、適切な硬さが選ばれている、といった項目を確認してください。

医師については、こめかみ周辺の解剖を具体的に説明できるかどうか、カニューレの使用経験が十分かどうかをカウンセリングの場で見極めましょう。

クリニック体制としては、ヒアルロニダーゼの常備と緊急時の対応フローが確立されているかがポイントです。

  • 使用製剤がヒアルロン酸であり正規品である
  • 医師がこめかみ周辺の血管走行を具体的に説明できる
  • カニューレの使用経験が豊富である
  • ヒアルロニダーゼを院内に常備している
  • 塞栓時の緊急対応マニュアルが整備されている
  • 夜間・休日の緊急連絡体制がある

「この医師なら任せられる」と判断できる基準

信頼できる医師には、共通した姿勢があります。

まず、施術のメリットだけでなくリスクを正直に説明する。次に、患者の希望を聞きながらも医学的に無理な要望にはきちんと「できません」と伝える。そして、施術後のフォローアップ体制をあらかじめ提示してくれることです。

反対に、「絶対安全です」「リスクはありません」と断言する医師は避けたほうがよいでしょう。

注入治療にリスクゼロは存在しないという前提に立ったうえで、そのリスクをどう最小化するかを一緒に考えてくれる医師こそ、信頼に値します。

迷ったときは「セカンドオピニオン」という選択肢を忘れない

一つのクリニックのカウンセリングだけで施術を決めるのではなく、複数のクリニックで意見を聞いてから判断するという方法もあります。特にこめかみのように塞栓リスクが高い部位では、複数の医師から説明を受けると、より安全な選択ができます。

セカンドオピニオンを求めること自体は、医療では当たり前の行動です。遠慮する必要はまったくありません。自分の顔と健康を守るために、納得できるまで情報を集めてから施術に臨んでください。

よくある質問

こめかみのヒアルロン酸注入による血管塞栓はどのくらいの頻度で発生する?

こめかみへのヒアルロン酸注入における血管塞栓の正確な発生率は、報告によってばらつきがあり、一概に数値を断定するのは難しいとされています。ただし、顔面全体のフィラー注入に関する文献では、重篤な血管合併症の発生率は0.01%~0.1%程度とする報告があります。

こめかみは浅側頭動脈が皮膚のすぐ下を走行しているため、顔面の中でも塞栓リスクが相対的に高い部位に分類されます。頻度が低いとはいえ、発生した場合の影響が甚大であるため、予防策を徹底することが重要です。

こめかみ注入で血管塞栓が起きた場合、ヒアルロニダーゼはどのくらい早く投与すべき?

血管塞栓が疑われた場合は、できる限り早くヒアルロニダーゼを投与する必要があります。多くの専門家は、塞栓の兆候が確認されてから数時間以内、理想的には1時間以内の投与が望ましいとしています。

時間が経過するほど組織の虚血ダメージが進行し、皮膚壊死や永続的な瘢痕につながるリスクが高くなります。施術を行ったクリニックにヒアルロニダーゼが常備されていることが、迅速な対応の大前提となります。

こめかみのフィラー注入にカニューレを使えば血管塞栓は完全に防げる?

カニューレは鋭針に比べて血管を貫通しにくい構造を持つため、血管塞栓のリスクを低減できることは複数の研究で示されています。しかし、カニューレを使用すれば塞栓が完全にゼロになるわけではありません。

カニューレでも血管壁を損傷する可能性はあり、特に細い分枝血管に対しては万全とは言えません。カニューレの使用はあくまで塞栓リスクを下げる有効な手段の一つであり、アスピレーションや低圧注入など他の安全対策と併用することが大切です。

こめかみへの注入治療で失明が起きるリスクは本当にある?

非常にまれではありますが、こめかみへのフィラー注入によって失明が発生したケースは世界的に複数報告されています。こめかみの浅側頭動脈は眼動脈と吻合しているため、注入された製剤が逆行性に眼動脈へ流れ込むと、網膜への血流が遮断されて視力障害や失明を引き起こす可能性があります。

このリスクがあるからこそ、こめかみへの注入には高い技術と解剖学的知識が必要とされます。施術を受ける際は、こうしたリスクについて医師から十分な説明を受け、緊急対応体制が整ったクリニックを選んでください。

こめかみの注入治療を受けた後、腫れや内出血はどのくらいで収まる?

こめかみへのヒアルロン酸注入後の腫れは、一般的に2~3日でピークを迎え、1週間程度で目立たなくなるケースが多いとされています。内出血が生じた場合は、1~2週間かけて徐々に吸収されていきます。

ただし、腫れや内出血の程度には個人差があり、使用した製剤の量や注入部位の深さ、施術中の出血量などによって異なります。施術後に想定を超える腫れや痛みがある場合は、正常な経過かどうかを確認するためにも、早めにクリニックへ相談しましょう。

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この記事を書いた人 Wrote this article

分山博文

分山博文 トータルスキンクリニック院長

2007年東京医科大学卒業。「美容医療はビジネス色が強すぎる」という業界の現状に疑問を抱き、「利益よりも倫理」「不要な施術は勧めない」という信念のもと、大手美容クリニック勤務を経て2021年に福岡市中央区(天神・大名地区)にてトータルスキンクリニックを開院。「誠実な対応・高度な技術・継続しやすい価格」を理念に掲げ、アップセル(高額な施術への誘導)を行わない、患者様本位の美容医療を提供している。